北アイルランド出身の3人組ロックバンド、Two Door Cinema Club(トゥードアシネマクラブ)。
彼らの4thフルアルバムである「False Alarm」をレビューしてみました。
参考になれば幸いです。それではどうぞ。
アルバム評価
Two Door Cinema Clubというバンドの多彩さを知らしめる1枚
1st、2ndと順調に来て、おや?と思われるような方向転換が見られた3rdを経て、どういう方向性になるかが非常に注目されていたこの4thアルバム。
今作では80年代を彷彿とさせるナンバーやラッパーとのコラボ、様々な楽器の取り込みなど、かなり色々なことに挑戦していて、それらが割とどれもハマっているという印象で、やっぱり彼らは器用で多彩だなぁという風に感じました。
特にラップに関しては、彼らのダンサブルなサウンドにはよくマッチしていると思ったので、ぜひ次回作でも取り入れてほしいなと思いました。
そういった多彩な要素がありながら、彼らの代名詞であるダンスロックの曲に関しては更に磨きがかかったと思っています。1st、2ndのようにギターを中心とした曲ではなくなってきていますが、踊れるようなリズムを生み出すことにかけては彼らは天性のものを持っていますね。
色々な音楽を取り入れているので、おそらく賛否両論出ていると思いますが、僕はこのアルバムは「好き」側の人間です。
楽曲評価
Once
最高にポップでエレクトロなイントロから始まる、アルバムの1発目を飾るこの曲。
アルバム発売前に先行して音源が公開されていました。
ゆったりとしたテンポに乗せた優しいメロディラインに、アレックスのファルセットが良く合いますね。1stや2ndの頃の速いビートの曲ではないですが、彼らの優れたポップセンスが際立つような一曲になっています。
Talk
先行シングルとして発売されていた「Talk」
全体的にキラキラしていて、細かくドラムを叩いているノリの良いダンスロックとなっています。
そこだけ聞くと昔のTDCCのようだと思いますが、昔の曲は高音のギターの音を強調していたのに対して、この曲ではシンセ等他の楽器の音が前面に出ています。
それでいてライブ映えしそうな良いリズム感は健在ということで、彼らの進化がみられる一曲だと思います。
Satisfaction Guaranteed
80年代風なメロディと全体を通して流れるピコピコサウンドが特徴の一曲。
サビはキレイにまとめているなという印象ですね。
ピコピコも最初はちょっとうるさいかな?と思ってましたけど、聴き込んでいくと不思議と気にならなくなってきました。
So Many People
Satisfaction Guaranteedに引き続き80年代色が強い一曲。
80年代風なメロディと手拍子をしたくなるようなリズム、そしてサビでかかるエコーが今までのTDCCとは一味違う世界をみせてくれます。
Think
スローでメロウなナンバー。こういうしっとりした曲でも美メロを作る才能があるので高いくウォリティをキープできていますね。
Nice To See You
またまた80年代風な曲調の一曲。
この曲のサビのメロディはカッコいいので好きです。
またなんといってもこの曲の特徴としては3:58ぐらいから始まるラップですね。
Open Mike Eagleというラッパーをフィーチャーしていて、このラップがまたカッコ良いんですよね。あと、この曲を聴いてTDCCのサウンドにラップは合っているなと感じました。
6:13と長い曲ですが、通常の1曲の長さぐらいの時間からラップを挟んでいるので、ダラダラと長いという感じもありません。
Break
文字通りアルバムの中でもブレイクとなるような良い意味での休憩曲。
ゆったりとしていて優しい曲調が心を落ち着かせてくれます。
そしてこういう曲を入れてきたってことは、この後に対照的な曲が続きそうな気がして非常に期待ができます。
Dirty Air
この曲も先行して配信されていました。
これぞTDCCの真骨頂!とも言えるようなリズミカルでスピード感のあるダンスロック。
その中でアレックスが低音ボイスで歌い上げていたり、ピコピコする楽器を入れていたりと今作全体で取り入れられているエッセンスが詰まっているといえます。
サビ前の溜めからサビへ繋がるところの盛り上がりが凄くて、これはライブでは間違いなく熱狂の渦が起こるような曲になると思います。
Satellite
この曲も先行してPVが公開されました。
これでもかというぐらいに低いボーカルから一転、サビになると明るいトーンでテンポの良い曲へと変貌を遂げます。
リズムの良さから自然と体が動いてしまいますね。自由な楽しみ方で良いと思いますが、PVのようなノリ方になってしまいそうです。(伝わります?w)


Already Gone
ゆっくりとしたテンポとアレックスのファルセットがまるで大自然の中で聴いているような壮大さを与えてくれるような一曲です。
そしてこの曲といえば何といっても最後の終わり方ですねw
フェードアウトとは全然違う、「突然曲が終わった」という感じです。
最初聴いたときはガチでTDCCやらかしてるなと思ったほどです。
ちなみにYouTubeのコメント欄も終わり方に言及しているものが多いです。

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