惜しまれながらも解散してしまった伝説のアイドルグループ、SMAP。
その元メンバーである香取慎吾の初ソロアルバムである「20200101」をレビューしてみました。
参考になれば幸いです。それではどうぞ。
アルバム評価
先入観は捨てて聴くべき2020年のスタートを飾る1枚
正直、なめてました。
元アイドル、元ジャニーズという肩書きから、ありがちなポップソング集なのかなと勝手に思っていましたが、聴いてみると全然違います。大変失礼しました。
このアルバムは「20200101」と書いて、「ニワニワワイワイ」と読みます。
その名の通り2020年の元日である1月1日に発売されました。
ソロアルバムではありますが、向井太一や須田景凪などの若くて注目度の高いアーティストから、スチャダラパー、KREVA、氣志團などの猛者達まで非常に幅広い多くのアーティストとコラボしていて、それぞれのアーティストの良さや色がうまく引き出されています。
それに香取慎吾自身の色が絶妙に溶け込んでいるなという印象を受けます。
またジャンルについてもダンス・エレクトロ・ヒップホップ・ソウルなど多岐に渡り、SMAP時代にはできなかったであろう音楽にも挑戦しています。(2020/01/26 SMAPも様々なジャンルの音楽をやっていたよという指摘をいくつか頂きましたので訂正致します。まだまだ先入観を持っていたなと反省しております。)
今回聴いてみて一番驚いたのが、香取慎吾の歌い手としての能力の高さです。
低音、高音をしっかり使い分けられますしラップも器用にこなしています。
これだけ多くのアーティストとコラボしてジャンルも多様なアルバムができたのは香取慎吾の適応力の高さがあるからだと思います。
とにかく、僕みたいな余計な先入観は捨てて最新のJ-POPを楽しんでもらえるようなアルバムです。
今後も同じスタイルでいくのかはわかりませんが、次はどんなアーティストとコラボするのか今から楽しみです。
楽曲評価
Prologue (feat. TeddyLoid & たなか)
オープニング曲はエレクトロやダンスミュージックの音楽プロデューサーで数々のアーティストに楽曲提供を行ってきているTeddyLoidと「ぼくのりりっくのぼうよみ」として活動していたたなかとのコラボとなります。
聴く度に癖になっていくイントロから始まり、全体的にはついつい体が動いてしまうEDMのような曲調でありながら、その中にわずかに哀愁が漂っていると感じる一曲。
この曲の歌詞に注目すると
「この手にはなにもないから 誰より自由に恐れずに泳げるよ」
「昔の自分と満ち足りた過去に別れ告げもっかい描き出すPrologue」
など、彼のこの先の挑戦へ向けた意思が感じられるような歌詞になっていて、またそこに乗ってくる香取慎吾の力強いボーカルがよく合っています。
Prologueというタイトルからも1曲目にもってきた意味を感じさせますね。
大事なアルバムの1曲目としては、掴みはOK!って感じですね。
Trap
最初聴いたとき「このオシャレな曲、誰?」って思ってしまったぐらいのオシャレなダンスミュージック。
夜のドライブなんかで聴くと凄く雰囲気が出て良い感じになりそうですね。
こういうのを聴くと本当に元アイドルというより一人の歌手として聴いてしまいます。
失礼ながら、香取慎吾ってここまで歌手の能力が高かったんだとようやく気付きました。
Metropolis (feat.WONK)
注目の若手ソウルミュージックバンド、WONKとのコラボ曲です。
R&Bやジャズといった曲調でWONKの良さが全面に出ているなと感じます。
WONKにもこれから注目したいと思います。
また、ソウルな曲調やラップにも対応できる香取慎吾の多才さがよくわかる1曲だとも言えます。
某自動車メーカーのCMに取り上げられそうだなと思いましたw
welp (feat.須田景凪)
シンガーソングライター、須田景凪(すだ けいな)とのコラボになります。
ゆったりしたリズムとかわいらしいメロディが特徴のこの曲。
歌詞がまた切なくて良いんですけど、歌詞を見てから聴くと見え方が変わってきます。
サビのメロディと歌詞の切なさが良い感じにマッチしていると思いました。
須田景凪については、この曲を聴いた後にいくつか聴かせてもらったのですが、
「なるほど」と思うぐらいにこの曲「welp」は須田景凪の雰囲気が出ていますね。
I’m so tired (feat.氣志團)
香取慎吾と氣志團とはまた面白い組み合わせですね〜。
このコラボするアーティストの振れ幅の大きさがこのアルバムの面白さをより引き立ててますよね。
イントロから一貫してジャズ・ロックな曲になっていて、氣志團のイメージとは違う曲でコラボしているのが面白いなと思いました。
途中、2分30秒あたりのギターソロの部分だけロックンロールになっていて、ほんの少しだけ氣志團感を含めているのもまた良いです。
ビジネスはパーフェクト (feat.スチャダラパー)
なんと!日本のヒップホップにおけるパイオニア的存在のスチャダラパーとのコラボです。
これを香取慎吾とのコラボだと知らずに聴くと普通に「スチャダラパーの曲だ」って思うぐらいスチャダラパーに馴染んでますし、ラップもできるんだと関心しました。
曲も往年のスチャダラパーを思い出させるような、適度なゆるさとポップさを兼ね備えた楽しい曲になっています。
これは踊れますね。
あとこの曲、PVが凄いんです!
何が凄いって、ゲストが非常に豪華。香取慎吾にゆかりのある人達が次々に登場します。
僕が見つけただけでも、
草彅剛、稲垣吾郎、山本耕史、三谷幸喜、キャイ~ン、みちょぱといった面々がいました。
リンク貼っておきますのでよろしければご覧ください。
Neo (feat.yahyel)
折り返しとなる7曲目はyahyel(ヤイエル)というバンドとのコラボです。
80年代のような懐かしさを感じるダンスナンバーで、ワイワイ踊るというよりは軽く体を揺らすように踊らせる曲になっています。
yahyel自身がJames Blake等のUKの音楽に影響を受けているようで、随所にイギリスの音楽っぽさを感じます。
嫌気がさすほど愛してる (feat.KREVA)
KICK THE CAN CREWのKREVAとのコラボです。
冒頭で披露される香取慎吾とKREVAが交互に繰り出すラップはかっこいいと思いました。
ラップ以外の部分のメロディラインがあまり好きではないので音源で聴く分にはイマイチだと思いますが、ライブではノリやすいというか観客が参加しやすい曲かなと思いました。
OKAY (feat.SALU)
男性ラッパーのSALU(サル)とのコラボです。
優しくて控えめなバックトラックに香取慎吾とSALUのラップを織り交ぜ、サビはポップで馴染みやすい曲になっています。曲の長さも3分を切る短さで、曲自体がシンプルな構成ということもあり非常に聴きやすい曲だと思います。
サビの
「それでも僕ならBe Okay」
「何が起きててもBe Okay」
「心配いらないBe Okay」
という部分はリズミカルでつい口ずさみたくなりますね!
またこの曲のラップで驚いたのが、香取慎吾が低音のラップと高音のラップを使い分けていることでした。このアルバムの特に後半はラップを多用しているように思いますが、これだけのスキルがあればその選択をするのも頷けます。
10%
のっけから畳み掛けてきて、そのまま最後まで突っ走るようなアップテンポな曲。
日本のエレクトロポップのお手本のような、親しみやすく楽しい気分にさせてくれる曲で、僕個人としてはこのアルバムで1番好きです。
多くは語る必要はないかなと。
元気になりたいときに聴いてみてください。開始10秒で元気になります。
Now & Forever (feat.SONPUB&向井太一)
DJのSONPUB(サンパブ)と人気のシンガーソングライター向井太一とのコラボです。
オシャレで大人な雰囲気が漂っていて、薄暗い部屋でゆっくりお酒でも飲みながら聴きたくなるような曲です。そういう光景が頭に浮かびました。
個人的にはイントロからの泣けるようなメロディラインが好きです。
FUTURE WORLD (feat.BiSH)
最後の曲は今大人気の女性アイドルグループBiSHとのコラボです。このコラボはちょっと驚きです。
BiSHとのコラボなのでロック色が強い曲になるのかなと思いきや、意外にも壮大なスケールの曲となりました。
確かにアルバム全体のバランスを考えてもこういう曲は終盤に欲しいところなので、そういう意味ではアリです。涙を誘うような壮大なメロディにも負けていない香取慎吾のボーカル力がいかんなく発揮されていると思います。
ライブではみんな大きく手を振りながら歌うんやろうな〜とか想像しちゃいます。
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